再エネ最先端の地で開発・採用された"風力発電予測"を日本で展開

「2050年カーボンニュートラルの実現」を掲げる。日本では今年4月、卒FIT(固定価格買取)を加速するFIP(フィードインプレミアム)制度、インバランス制度の改正、アグリゲーターのライセンス制度が開始された。

FIP制度への移行が進む(参考:経産省PDF)なか、計画値と実績値に差が生じた際にはペナルティが発生する場合があり、インバランス料金制度(同省PDF)もより厳格になるため、計画誤差が売電収支に影響することがある。このような背景から、風力や太陽光などの発電量予測や電力需要予測の精度向上への取り組みが、これから益々重要になるという。

ウェザーニューズは8日、気象データと最新技術で企業のDXを推進するサービス「WxTech®」において、日本の電気事業者向けに新たな風力発電量予測サービスの提供を開始した。電力取引時間や企業のニーズにあわせて、5〜30分間隔でkWh単位の風力発電量予測データを7日先まで、空間解像度1kmメッシュで届ける。サービスデータの更新頻度は5分〜6時間毎となる。

欧州における「環境気象事業」の立ち上げを目的として'17年にフランスの気象会社Metnextを買収(ニュースリリース)し、パリに「ウェザーニューズ フランス」を設立した同社は、AIを用いた新たな風力発電量予測モデルを現地法人で開発――欧州向けに風力発電量予測サービスを提供している。すでにポルトガルの電力会社RENから全国136か所の陸上風力発電所の発電量予測を受注し、4月1日に運用を開始した。

欧州の気象会社8社が入札に参加し、RENによる精度検証トライアルの結果、契約に至った。再エネ普及が最も進むEUの市場に対応する先端技術を用いて、今回日本で高精度予測サービスを展開する。ウェザーニューズ本社は、欧州と同等の高品質なサービスを必要とするエネルギー関連事業者からの連絡を待っている(問合せフォーム)。