ITシステム運用を自動化する、国内市場は右肩上がり

AIOps(人工知能による運用技術)の活用が検討されている。法人向けITシステム/各種情報システムの世界では、運用判断をAI任せにするのは時期尚早との意見も多く、あらかじめ決めたルールとプロセスに基づいたオートメーションが現実解として普及しつつある。

いまのシステム運用の自動化は、要員の工数とコストの削減、およびオペレーションの品質向上に期待が持てる。さらには将来的なAIOps活用の準備にもつながるので、導入の検討を推奨するとコンサルティング・フェローがいう。ITRは9日、国内運用自動化市場規模推移および予測を発表した。2021年度の同市場の売上金額は49億8,000万円、前年度比13.4%増となった。

運用自動化の導入による運用の効率化がじわりと浸透していて、新規導入ユーザーも増加傾向にある。22年度も同19.1%増と引き続き高い成長が見込まれる。コロナ禍で運用自動化の必要性が再認識されたことを受け、今後さらなる進捗が見られる。新規参入ベンダーも徐々に増加している、同市場のCAGR(21~26年度)は17.4%、26年度には111億円に達すると予測している。

提供形態別では、SaaS市場の21年度の売上額は14億7,000万円と、パッケージ市場に比べてまだ小さいものの、前年度比48.5%増と急速な成長を示している。各種システムのクラウド移行が進んでいることから、運用管理についてもSaaSを利用する企業が増えている、これがこの伸びの背景にある。CAGR(同)を比較すると、パッケージ市場6.0%、SaaS市場34.2%――25年度にはSaaSの売上金額がパッケージのそれを上回るだろうという。

詳細は、運用管理市場の全14分野、国内58ベンダーへの調べに基づく実績値および予測値を網羅した同社の市場調査レポート『ITR Market View:運用管理市場2022』にて確認できる。