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組合せ最適化問題をクラウドで解く、新サービスの提供始まる
組合せ最適化は、問題の規模が大きくなるにつれて組合せパターンの数が指数関数的に増大する。そのため、既存の計算機で高速に解くことは困難であり、昨今、組合せ最適化専用計算機の開発が国内外で活発に行われているという。東芝デジタルソリューションズは今月6日、米国Microsoftのオープンクラウド量子コンピューティングエコシステムAzure Quantumにおいて、新サービス「SQBM+ Cloud on Azure Quantum」の提供を開始した。
SQBM+は、東芝が開発した組合せ最適化ソルバー「SBM」を核とした量子インスパイアード最適化ソリューショだという。東芝デジタルソリューションは、Azure Quantumに20年9月より参加し、SQBM+の公開準備を進めてきた。
Azure Marketplaceで購入できる同サービスは、従量課金制で導入しやすいクラウドサービス、速度・精度・規模を大幅に向上させる新アルゴリズム(21年2月発表論文)を採用したSBMの特性を生かし、最大100,000変数のイジング問題に対応するソルバー提供――弾道的シミュレーテッド分岐アルゴリズム(bSB)/離散的シミュレーテッド分岐アルゴリズム(dSB)の自動使い分け機能といった特長を備えた。
SBMは既存の計算機を使用し、複雑で大規模な問題の高精度な近似解(良解)を短時間で得ることを可能とする。これを上記エコシステムのサービスとしたことで、金融・創薬・遺伝子工学・物流・AIなど、多彩な領域での「組合せ最適化問題」の解決をめざす顧客は、使い慣れたAzure環境で、SBMを実問題に適用できるようになるという。