指輪でキャッシュレス決済&ドア解錠、ヘルスケアサービスも視野に

昨年、キャッシュレス決済比率が3割を超えた。日本でも、決済方法の多様化や、入退室管理や製造オペレーション、エンターテインメントなど多くのシーンでの非接触操作の導入に伴い、手首や腕、頭などに装着するウェアラブルデバイスが注目を集めているという。

凸版印刷EVERINGは、今年3月に資本業務提携契約を締結した。経産省が2021年のキャッシュレス決済比率(算出値)を公表した前日、5月31日より、前者はリング型決済・ID認証デバイス「EVERING」を、入退室管理や勤怠管理など自社のセキュアサービスと組み合わせて販売し始めた。

後者は、VISAのタッチ決済ができるスマートリング「EVERING」を21年に日本で初めて販売。同リングについて、タッチレス決済だけでなくID認証によるドアの施錠・解錠などへ機能を拡張することで、あらゆる生活導線を一つに繋げ、より利便性の高い社会の実現を目指している。一方前者は、ICカード事業における豊富な経験を通じて、暗号、認証および不正アクセス防止など、業界最高水準のICカードセキュリティ技術を培ってきた。

今春の提携により、個人情報を安全に扱うセキュアな運用体制と電子鍵をデジタルデータとして取り扱う暗号化技術が加わる。携帯性を備えたスマートリングは、ファッション性、利便性と安全性を高いレベルで融合する次世代デバイスとして、ウェアラブルコンピューティングの可能性を拡げていくという。新しい生活様式に寄与する「EVERING」と、上記セキュリティ技術を掛け合わせることにより、革新的なセキュリティデバイス市場を創造していく。

両社は今後、不動産、セキュリティ、自動車、教育、エンターテインメントなどの各業界向けに、新しいサービスを開発・提供していく。バイタルデータを取得できるリング型デバイス(開発中)を活用し、ヘルスケア分野においても新サービスを展開していく構えだ。