建設業において、「施工実績」は⼯程管理や原価管理をおこなう上で重要な指標だ。その基礎となる材料・労務・機械などの⼯数は、人力で収集し記録していたが、近ごろそのような⼈⼿による作業⼯数の積み上げ⾏為が減少、収集したデータが有効活⽤されていないことも課題になっていたという。
トライポッドは、丸本組と共同で、建設現場の映像データから施⼯実績や⽣産性の定量的な把握を可能とする「AI解析×施⼯実績ソリューション:AIダッシュボード」を開発した。建設業のデジタルトランスフォーメーション（DX）が急進するなか、丸本組は上記課題に対し、映像データと人工知能で求めた施⼯実績を用いて、重機の配置計画検討や配置の⾒直しなど――
当該指標を⼯程短縮や施⼯の効率化につなぐ検証を⾏っている。映像で施⼯履歴データを記録することにより、安全管理や品質向上など、建設現場の⽣産性アップに寄与できるとも考えている。今回、それらの検証および展開に向けて、宮城県発注の道路改良⼯事現場にカメラ2台を設置し、掘削⼯における⽣産性指標（施⼯実績、重機稼働時間、重機稼働率、掘削⼟量）を即時算出する試験を実施した。
現場のカメラ映像を「ViewCamCloud」に集約し、クラウドGPU基盤で建機に特化したAI解析を⾏うことで、ダッシュボードに上記⽣産性指標をリアルタイム表⽰する。重機の種類ごとの稼働状況（稼働／非稼働／累積時間）や掘削⼟量数量、積算シミュレーション等を表⽰することで、現場での⽣産状況の適時把握を⽀援する。
AIダッシュボードは、⽇報・週報、⽉報、施⼯記録に分かれ、表⽰項⽬はカスタマイズ可能。現地のネットワークカメラはタイムラプスカメラとしても併⽤し、数値やグラフだけのケースよりも状況判断を容易にする（関連製品ViewCamStation）。今後は他⼯種への対応も進めつつ、建設現場のDX推進に取り組んでいくという。