不動産業務DX、電子契約システムと賃貸管理をシームレスに連携

今年、不動産業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速すると期待されている。1月には改正電帳法が施行され、5月施行の宅地建物取引業法改正により、不動産契約における押印や書面交付のデジタル化が進むと考えられている。

電子帳簿保存法の改正(国税庁PDF)により、保存要件が緩和され、不動産取引における契約書類をデータで保存することが可能となった。電子データの保存には「真実性」「見読性」「検索性」が必要とされている。デジタル社会の形成を図るための法整備にかかる文脈で一部改正された宅建法(国交省Web)では、重要事項説明書等の書面の交付を電磁的方法により行えるようになった。

当社では2015年頃より「スマート申込」をはじめとする「スマートソリューション」の提供により不動産会社の業務効率化を図るとともに、すでに提供中の各サービスを連携することで、さらなる業務負担の軽減にも取り組んでいるという。アットホームは5月27日、電子契約システム「スマート契約」と、賃貸物件の契約・更新・解約・家賃管理などを一元化できる「賃貸管理システム」のAPI連携を開始した。

不動産会社が「賃貸管理システム」で作成した各種契約書を、同システム内の「スマート契約」ボタンクリックによって契約者に送信できる。契約者が署名した契約書はそのまま「賃貸管理システム」で保存――。ダウンロード、アップロードの手間を省いて業務を効率化できる。改正電帳法の電子データ保存の義務化にも対応し、契約書の保存や関係書類の備付が可能なうえ、「スマート契約」単体ではかなわなかった検索性も確保できる。

入居者募集~入居申込、契約、管理業務までをオンラインでシームレスに行える環境を提供することで、不動産会社の業務を支援するという。同社は、不動産業務の効率化・円滑化を実現するサービスの提供・機能拡充を通して、不動産業界のDXを推進していく構えだ。