資金需要をAI予測、口座入出金データで銀行業務をプロアクティブに

その銀行は、「質の高い総合金融サービスの提供を通じ、地域とともに、ゆたかな未来を創り続ける」グループの一員である。地域のステークホルダーの様々な課題に寄り添い、ともにあゆみ解決することで、新たな価値を創り続ける――長期ビジョンを掲げている。

めぶきフィナンシャルグループが目指す姿「地域とともにあゆむ価値創造グループ」(PDF)に則り、上記長期ビジョンを実現するため、より多くの顧客の期待と信頼に応えられるよう、顧客接点や課題解決力・提案力の向上など営業活動高度化に取り組んでいる。常陽銀行の法人営業の実業務において、NTTデータJSOLは今年8月まで、口座入出金データを活用した「資金需要予測AIモデル」の効果検証を行う。

1~3月のPOC(机上検証)で一定の成果を得られたので、4月よりこのAI(モデル開発にJSOLのFincast®を応用)が出力した予測結果を同行全店に展開し、法人営業の提案活動で実証を進めている。「資金需要予測AIモデル」の予測結果一覧の還元/営業提案活動への活用、予測と実際の融資結果の比較による定量効果検証、営業担当者へのアンケートによる定性効果(顧客応対・品質向上など)の調査/確認を実施する。

過去の取引推移パターンから将来の資金需要を予測する。このしくみを活用することで、従来の経験に基づく人の判断では気付かない変化の検知が可能となる。当該AIモデルの導入によって、「タイムリーな融資提案、取引先の資金需要に対して先回りしたアプローチ」「融資提案の質向上、データ分析結果に基づく取引先との会話品質向上」「新規顧客への融資提案、純預金先等への提案機会の創出」が期待されるという。

両社は、上記検証結果を踏まえつつ「資金需要予測AIモデル」の一層の改善・精度アップを図ると共に、常陽銀行におけるデータに基づく営業活動の定着と業務高度化の拡大に向けた支援を継続していく考えだ。