アジャイル開発のスクラムをボードゲームで体験できる

ソフトウェアを機能別にそれぞれ機敏かつ柔軟に開発していく。途中ないしリリース後の修正や変更にも少ない工数で素早く対応できる、アジャイル開発はいまDXの風を受けて、IT(情報技術)製品・サービスベンダー以外からも注目されている。

小さな仮説から検証を進め、立証した事実を積み重ねることで、無駄を少なく技術や製品・サービスを成長させてゆく手法、アジャイル開発の一種に、ラグビーチームのようにメンバー同士がタスクを分担し、それぞれの成果を持ち寄って開発を進めていく"スクラム開発"があるという。DNPは、「スクラムが体験できるボードゲーム~目指せスクラムマスター~」の試作品を開発し、社内教育での活用を開始した。

生活者にいち早く新しい価値を届けるため、これまでも多くの企業等のソフトウエア開発のほか、自社提供しているソーシャルアクションサービス「May ii」やアスリート支援プラットフォーム「チアスタ!」などでアジャイル開発を取り入れてきた。同社は20年5月よりシステム開発に携わる社員に「スクラム開発」の教育を行い、22年4月までに200名超のScrum Alliance認定資格者を育成している。

スクラム開発用語への理解を無意識に深められる。上記ボードゲームは、最終目的の達成に向けてできるだけ早く小さい成果物を積み重ねるアジャイル開発/スクラム開発の本質の理解につながる。開発阻害要因がゲーム中ランダムに発生し、現実的なリスクを学べる。プレイ回数を重ねれば効率的に開発プロセスを回せるようになり、上級者として必要なスキルやマインドセットを自然に体得できる。

今後利用者のフィードバックを得ながら、スクラム開発の教材やアジャイル開発のコンサルサービスの提供を目指す。オンライン/簡略版などの開発も進めていくという。同社のアジャイル開発の取り組みは、NINNOでの「スクラムフェス新潟」にて紹介された。