医療×IT、国内のメドテック・診療支援AI市場は160億円規模へ

メディカルと情報通信テクノロジを融合させたしくみやサービスを"MedTech"という。それは診療・診断・治療支援領域などの分野で新たな価値を提供する。昨今、医療分野においては、AIやXRなどデジタル技術の活用が進展し、それらが医療の在り方を大きく変革すると期待されている。

AI技術が重点戦略として政策の中で掲げられ、データ基盤の整備およびデータの利活用に向けた取り組みが進められている。医療分野のAI技術の活用として、特に医用画像を用いた診断支援が注目されるという。矢野経済研究所は、国内のMedTech動向を調査し、関連する各医療機器の普及動向、参入企業の事業展開、今後の方向性などを明らかにした。

その中で、診断・診療支援AIシステムの市場規模について、'20年に14億円(事業者売上高)だったものが、右肩上がりに成長を続け、'26年には160億円になると予測している。日本では、2018年以前は研究・実証研究の取り組みが中心であり、AIを搭載した医療機器として、初めて内視鏡画像診断支援AIシステムが薬事承認を取得したことを皮切りに、製品・サービスの上市が進められた。

22年2月時点で、放射線画像分野を中心に20品目以上の製品で薬事承認・認証を取得している。規制面では、コロナ対策としてAI製品の早期承認、IDATEN制度の導入やDASH for SaMDの策定(厚労省PDF)などAI医療機器に対する規制の枠組み構築に向けた動きがみられた。

AI製品・サービスを取りまとめる医療AIプラットフォームの構築がモダリティメーカーを中心に進みつつあり、社会実装に向けた取り組みが加速している。デジタル技術を活用した医用画像機器には、データが必要不可欠であり、国策として医療公的データベースの構築などデジタル基盤の整備が進展しているという。詳細は同社のMedTech市場調査レポートで確認できる。