災害時の状況をITで見える化、要援護者への初動対応を迅速に

人口密度が低く、高齢化率が高い――地方都市では、災害発生時に要援護者の安否確認を電子的に行うことは非現実的である。行政職員・消防団・地域住民が直接訪問することでしか安否確認ができないといった課題があるという。

森ビルは、内閣府の委託事業「スーパーシティ構想の実現に向けた先端的サービスの開発・構築等に関する実証調査業務」の一環として、3DマップとIoTデバイスのデータ連携による「災害時の状況可視化・情報連携システム」を独自開発した。今後は「デジタル田園健康特区」に指定された長野県茅野市と連携し、当該ITシステムの確立を目指した実証実験を行っていく。

3Dマップの建物モデルに紐づく構造・用途などの建物情報と、IoT技術を活用した地震センサから取得する地盤と建物の揺れデータなどのリアルタイム情報を連携させることで、災害発生時の建物の危険度を判定。さらに、地域の災害時要援護者(一人暮らし、寝たきり、認知症等を患う高齢者など、発災時に行政の救護や介護を必要とする人)情報を掛け合わせることによって、要援護者の安否確認優先度を自動的に算出し、可視化する。

同システムの開発・導入によって、過疎化・高齢化が進む地方都市における災害発生時に、要援護者の安否確認優先度を明確化することで、迅速な初動対応の実現に貢献する。同社は、「都市のDX」において、豊富な知見と事例を有している。

被災度推測システム「e-Daps」(13年8月リリース)、IoT技術による「土地建物格付けシステム」(22年1月リリース)、屋内外をシームレスにつなぐ避難訓練シミュレーション(21年3月リリース)、火災時初動訓練VRシミュレーター(21年9月リリース)などにて培ってきた都市開発・都市運営のノウハウを活かしながら、最先端技術を活用した都市情報の統合・可視化を推進することで、これからも安全・安心な都市づくりに寄与していく考えだ。