大規模物流センターでロボットが協働、入出荷作業の生産性アップへ

現代の産業・社会は物流に支えられている。その業界では人手不足が慢性化――Eコマースの激増等を背景に、生産性の向上が求められている。多様な荷姿への対応、物量の増減や新設備導入に伴う倉庫空間のレイアウト変更、深夜時間帯の作業員確保などが喫緊の課題になっているという。

SGシステム(SGS)および佐川グローバルロジスティクス(SGL)ならびにNECは、SGホールディングスグループの次世代型大規模物流センター「Xフロンティア」内の通販専用プラットフォーム「EC Logi Tokyo」において、NECの協調搬送ロボット活用ソリューション(21年12月記事)を実証する。入出荷作業の生産性向上を検証した後、同プラットフォームへの本格導入を目指す。

「EC Logi Tokyo」内に設定された約50メートルのルートを使用し、協調搬送ロボットを用いて20種類以上の大きさや形状の異なる荷物の搬送を行う。多様な形状の荷物を作業員のサポートなしに所定ルートで自動搬送する作業を行い、その有用性を証明する。また、実際の入出荷作業を想定し、作業員の事務作業などと連携した搬送を行うことで、本格導入時の生産性の向上を検証するという。

SGSは、NECと共に上記協調搬送ロボットを展開・導入していく。この度の実証実験で得た知見を活かし、物流自動化ソリューションの更なる強化に取り組み、物流業界全体の課題解決に寄与していく。SGLは、物流課題の解決に向けこれからも各種ロボティクスの導入を進め、蓄積済みノウハウを活用して生産性の向上、そして新たなソリューションを提案できるようDXを推進し、顧客の経営課題に物流を通じて最適解を提案していく。

両社との実証で得られた知見を加えて、NECは、協調搬送ロボットのさらなるUX向上に取り組み、省人化や生産性アップなど物流業界におけるソリューションを社会実装し、世の中に貢献していく構えだ。