履修証明書の発行~受領をデジタル化、情報産業都市の実現に向けて

その自治体では、昨年の宣言以来市内でブロックチェーン技術の振興支援に努めてきた。そしてこのたび、産学官一丸となって業務の電子化に取り組むことで、情報産業都市づくりをさらに加速させることを企図しているという。

「飯塚市ブロックチェーン推進宣言」を令和3年に発表した飯塚市と、九州工業大学アイティフォーchaintopeは、産学官連携による「九州工業大学の履修証明書電子発行に関する共同実証実験」(21年10月ニュース)を今月より本格開始、9月末まで行う。公的機関である大学の証明書をデジタルで発行し、行政が運用までを想定してデジタルで受け取る「デジタルtoデジタル」プラットフォームを活用した社会実験であり、日本初の事例だという。

今回の実証実験では、社会人を対象とした情報教育支援士養成講座の履修証明書をトラストサービス「電子交付システム」を用いて電子化する。修了生は証明書を専用アプリで飯塚市へ提出、市はその証明書の真正性をシステム上で検証・確認し、講師登録を行う。講師登録され、電子証書で認証された修了生は、同市が10回程度開催予定の情報教育イベントや中学校・高校の授業に、講師や補助員として参加する。

「電子交付システム」はアイティフォーが構築・運用。同システムにchaintopeのブロックチェーン基盤「Tapyrus」を導入することにより、電子データ形式で取得した証明書を不正に書き換えたり、大学になりすまして証明書を偽造したりする行為を防止し、真正性の担保を実現した。さらに今回、スマホアプリ「MY証明書」を開発したことで、修了生がより簡単に履修証明書を取得・真正性検証・提出できるようになったという。

4者は上記実証実験の結果をもとに、電子交付システムの新たな活用に向け、一丸となってさらに検証を進めていく。そしてそれぞれ、ICT(情報通信技術)活用の深掘りや横展開などを行っていく構えだ。