医療機関による介入は大きな労力を要し、多忙な医師にとっては制約も数多存在する。国内に患者数が多い、その一方で約70%の患者が降圧目標未達成または未治療となっている、本態性高血圧症は、脳心血管疾患における最大のリスク因子(日本高血圧学会『高血圧治療ガイドライン2019』)である。現状、高血圧症に起因する医療費も年々増大しているという(厚労省「令和元年度国民医療費の概要」)。
CureAppは4月26日、高血圧症治療において医師と患者を支援する「CureApp HT」について、厚生労働省より製造販売承認を取得した。患者アプリと医師アプリで構成された高血圧症治療補助プログラムのソフトウェア単体での薬事承認取得(承認番号30400BZX00100000)は国内初、高血圧領域におけるDTx(デジタルセラピー)では世界初だという。同社は今後、2022年中の保険適用と上市を目指し、準備を進めていく。
同プログラムは、患者ごとに個別化された治療ガイダンス(入力情報に応じた食事、運動、睡眠等に関する知識や行動改善を働きかける)をスマホを介して直接提供する。行動変容を促し、正しい生活習慣の獲得をサポートする。患者アプリにより継続的な生活習慣の修正ができ、減塩や減量を通じた血圧の低下といった治療効果をもたらすことを意図している。
患者の日々の生活習慣の修正状況が医師アプリにて確認できる。限られた時間内での診療の質の向上に寄与することを目指している。令和4年度診療報酬改定で「プログラム医療機器等医学管理加算」(PDF279頁)の項目が新設され、今回初の上記薬事承認取得となった。製品の治験概要は欧州誌に掲載された。