複合現実の世界を多様なビジネスに生かす、広視野角HMDにて

仮想現実は近ごろ産業分野にも広がっている。サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立するという政府主導の"Society5.0"と歩を一にするように、拡張現実や複合現実(AR/MR)が各種業務シーンで活用され始めている。

今月21日、キヤノン(キャノンキャノンMJキャノンITS)は、現実映像とCGをリアルタイムに融合するMRシステム「MREAL」シリーズの新製品として、広視野角モデルのヘッドマウントディスプレイ「MREAL X1」を6月上旬に発売するとした。

MREALはビデオシースルー方式(カメラ経由で外の様子も映す)により、現実世界とCG映像を違和感なく融合し、あたかも目の前の現実に3D CGが存在しているかのような臨場感を提供する。そのHMDである"MREAL X1"は、小型・軽量・高画質に加え、表示面積の拡大により検証効率や臨場感の向上を実現し、製造業をはじめ、幅広い分野での3Dデータを活用したDXの推進に貢献するという。

「MREALシリーズ最大表示面積によりユーザビリティーの向上を実現」「小型・軽量による快適な装着性と高画質を両立」「ポータブルなシステムにより多様なビジネスの現場での利用が可能」といった特長を備えた。昨年2月発売のエントリーモデル"MREAL S1"との比較で、質量増加を約21gに抑えつつ表示面積を約2.5倍にした。ユーザーからの要望大だった縦の視野角を拡大したことで、大きく頭を動かすことなく視認エリア全体の確認が可能となった。

一度に視認できる範囲を広げたことで、大型の商品や設備などの全体的なイメージの確認や、対面での作業検証、自分の立ち位置を確認しながらの作業検証などにも使用できる。「MREAL X1」は、人間工学に基づく設計で長時間利用しても疲れにくい形状のアクセサリーなども充実している。