悪条件下でも人や車両などの侵入を検知、オフィスの混雑度把握にも

近ごろ生産性うんぬんという風潮が高まっている。がしかし、様々な作業現場およびオフィスでも「安全」が第一である。安全の確保なくして生産性の向上などは望めない――。建設現場・インフラ工事の作業現場では、重機の動作、車の通行などによって、危険なエリアが存在する。

新型コロナウイルス禍の終息がいまだ見込めない今日、オフィスなどの密閉空間では、安全なソーシャルディスタンシングを確保することは大きな課題になっているという。NEC通信システムは、3Dセンサを活用した「NEC 3次元物体検知ソフトウェア」の提供を今月21日に開始した。同ソフトウェアは、RGBカメラが苦手とする夜間・荒天等の悪条件下でも使用できる――3Dセンサから3D深度(距離)情報を取得する。

そして、同社独自の空間認識・物体検知技術で分析することにより、特定エリアに侵入した人や車両などの物体を判定する。重機などが作業している工事現場などでは、作業員が危険なエリアに入ったことを検知してランプ・警告音等により危険を知らせることで、作業員の安全を確保できる。オフィスなどでは、その場所に滞在している人数のカウントができ、混雑度合いの把握にも活用できる。

同ソフトウェアには、検知物体の寸法・位置情報が高精度に特定・出力できる「立体的に監視エリアの設定」、1台の3Dセンサで常時監視のほか効率的な「複数エリアの同時監視、監視時間帯の設定が可能」、「夜間などの暗い場所でも照明なしで監視が可能」といった特長を備えた。

物体検知技術を応用し、工事現場における危険エリア侵入防止、オフィスなどのフロア内の人数把握、セキュリティ・防犯対策などに加えて、様々なシチュエーションで活用できるよう、機能拡張と対応3Dセンサの機種追加を予定しているという。同社は、IoTや空間認識技術の提供を通じて、安全で効率的な社会インフラの構築に貢献していく考えだ。