材料の配合探索や設計条件の提案などでAI予測システムを活用している、その企業では、上記プロセスのうち最新データの入力とデータの加工はMLモデルを構築するデータサイエンティストが自ら行う必要があり、その作業時間は全プロセスの8割程度を占めていた。当該システムに搭載されているMLモデルについても、それぞれに特化して構築してあるため、個別作業が必須となり、多くの手間と時間を要していたという。
昭和電工は、AIを用いた材料開発において、機械学習モデルを効率的に運用する仕組み「MLOps(機械学習オペレーション)」を他社に先行して構築。その活用を開始したことを今月21日に発表した。機械学習モデルにより、材料の配合や製法などから材料特性の予測が可能となる。今回、同モデルを開発するコンピュータへの最新データの入力とデータ加工について自動化などを行ったという。
MLモデルをより効率的に運用できるようにするため、最新データの入力とデータの加工を自動化するプログラムをシステムへ組み込んだ。さらに、MLモデルを構築するデータサイエンティストと、システムを構築するソフトウェアエンジニアが使用する――基本ソフトウェアやプログラミング言語などに差異があっても両者が共同開発できるよう――共通の開発環境を実現する技術を導入した。
上記取り組みにより、MLモデル開発~システム運用の一連の流れに要する時間を1日/月に短縮(従来5日)。常に最新のデータを基に材料の特性予測を行えるようにし、材料開発の迅速化を実現したとのことだ。