需要予測AIにて物流ロジスティクス業務資源を最適化

その業界では労働力不足に加え、近ごろ車両不足も浮き彫りになっている。荷主企業に代わって最も効率的な物流戦略を企画立案し、物流システム構築を包括的に受託・実行する第三者ロジスティクス事業を、国交省が推進している。

同省「3PL事業の総合支援」では、新たな物流サービス3PLの普及が見込まれている。一方、3PL事業会社では、労働力・車両不足に直面しているほか、ロジスティクスセンター業務における車両配備・要員配置業務について、長年の経験や勘による属人的作業となっていて、センターごとに業務品質のばらつきがある。事業リスク低減のため、DXを推進し、業務の省力化・効率化・属人性の解消を検討することは急務になっているという。

マクニカ丸和運輸機関は共同して、世界25,000人のデータサイエンティストコミュニティが支える前者提供のサービス「CrowdANALYTIX」を利用し、店舗発注量の需要予測AIの研究開発プロジェクトを開始する。これにより、サプライチェーンの中核を成す物流ロジスティクスセンター業務における人・車両配備の最適化を目指す。

同プロジェクトでは、得意先店舗毎の出荷実績、店舗イベント、来客数、天気・気温等の各データをもとに、対象店舗毎に最適化された複数の需要予測AIモデルを開発する。その後、店舗規模・配送シフト・商品特性等を考慮した形で、翌週の各店発注物量予測を算出する。フェーズ1では、特定店舗にて発注量予測AIの精度を検証した後、①トラック配車業務の最適化、②要員配置の最適化、③配送計画の改善の検討を実施する。

マクニカは、同プロジェクトによる需要予測結果を用いた要員配置・車両の最適化を皮切りに、丸和運輸機関の得意先への新たな価値創造やSCM全体の最適化を支援していく。傭車の適正化によるCO2の削減や在庫管理の適正化によるフードロス削減など、SDGsの推進の支援も行っていく構えだ。