化学プラントのオペレーションを納得のAI推奨値により最適化

市場ニーズが多様化し、多品種少量生産の必要性が増した。昨今、化学プラントにおいては、オペレーションの難易度が格別高くなっている。日本では労働人口が減少していることもあり、運転員の確保や運転技術の継承が、プラントを操業する企業共通の課題となっている。

そこでソリューションを共同開発し、昨年6月、稼働中の化学プラントにてその実証実験を実施。確認された課題を改善のうえ、運転員の高い支持を受けたしくみの商用化に至ったという。横河ソリューションサービスNTT Comは、自動制御が困難なため手動オペレーションが不可欠な化学プラントの運転を人工知能技術で支援する「AIプラント運転支援ソリューション」を今月8日より提供する。

顧客のプラントに蓄積されたプロセスデータを預かり、分析とヒアリングを行い適合性を確認する。適合性が確認できた場合、顧客の化学プラント向けAIモデル構築と、現場での実用性を評価する実地検証を行う。その評価結果をもとに顧客が導入を決断すると、利用と保守・運用が開始される。同ソリューションは、稼働施設内の各種センサーから取得した温度・圧力などのデータをもとに、AIモデルが運転員に手動オペレーションの推奨値を案内する。

「納得感を持ったオペレーションを実現する推奨値の根拠提示」「自動再学習による常に最適な推奨値のガイダンス表示」「アジャイル開発の採用による現場ニーズへの迅速な対応」といった特長を備えた。同ソリューション開発にあたっては、横河ソリューションサービスのプラント制御改善コンサルティングノウハウ、NTT Comの開発ツール「Node-AI」によるAIモデルを組み合わせたという。

両社は、22年度内に運転員の監視のもと化学プラントにおける一部工程を自動運転するソリューションと、運転員が持つ独自のノウハウを容易に蓄積、活用できることで技能伝承を支援する機能の提供をめざしている。