ブロックチェーンにより物流業界の課題を解決する

運輸業界の市場規模は約38兆円。そのうち約24兆円を占める物流業界は一大産業だが、近ごろ物流ドライバーの高齢化や物流における労働環境の厳しさなどを背景に、労働力の確保が課題となっている。

『物流を取り巻く動向について』(令和2年国交省PDF)で上記状況が示されているほか、国内貨物輸送量は、2013年から減少傾向にあることから、物流企業は業務効率化とコスト削減が求められているという。TRUST SMITHは今月6日、物流業界におけるブロックチェーン技術実用化に向けた研究を開始した。同技術の実用化を通じ、積載率の向上、ドライバー不足の解消、人的ミスの削減などの諸問題を解決し、より良い物流に貢献する。

物流業界は、調達から消費までの一連の流れ(部品/製品・商品供給網)の各工程を繋ぐ役割を担う。そのため、各工程における輸送状況を追跡し、正確かつ迅速に管理することが重要。だが上記現状により管理工数を十分に確保することが難しく、人手で行う管理には常に人為ミスのリスクが伴う。そこで、①分散型の信頼性、②耐改ざん性、③透明性等の特徴を備えたブロックチェーン(分散型台帳)技術を生かす。

非中央集権型データベースであり安全性が極めて高いブロックチェーン技術を輸送状況管理に活用することで、確認作業などの自動化や手入力ミスの削減による業務の効率化を実現できる。データの改ざんリスクの低減による企業の信頼性向上等の効果が期待される。さらに、管理データのデジタル化・蓄積が進むことでオペレーション最適化を行い、一社のみでなく物流業界全体で効率化を進めていくこともできるという。

同社は、コンソーシアムチェーン(パブリックとプライベートの中間的チェーン)への適用も視野に、ブロックチェーンの技術と、最先端AI・ロボティクス技術を組み合わせることで、業界全体の非効率を解消し、国内外の物流業界に貢献していく構えだ。