モノづくり現場の作業ミスを即検知、自動判定して生産性アップへ

人手不足やベテラン作業員の後継問題が浮き彫りとなっている。生産現場ではFA化が進み、生産過程ではロボットやセンサが活用されつつあるものの、特に組み立て工程はまだ人への依存度が高く、手作業によることが多いためその作業におけるヒューマンエラーを軽減していく必要がある。

工場では手順書通りに作業を進めることが要請される。そこに規定された作業を間違えてしまったり、手順を一つ飛ばしてしまったりといった人的エラーによる不良品の流出を防ぐため、多くの工場では、過剰なほど綿密な出荷前検査が行われているのが実情だ。そのような検査を含む製造現場の負荷を軽減し、品質と効率性を向上させるには、作業中にリアルタイムでヒューマンエラーを検知することが求められるという。

マクニカは今月5日、米国Retrocausal社と、作業ミス即時自動判定ツール「Pathfinder」のリセラー契約を締結したことを発表。DXを目指している企業を対象に、同製品の日本での販売を開始するとした。

同社の戦略的パートナーとなるRetrocausalは、'19年来製造業に特化した支援を行い、作業ミスの流出を未然に防ぐことで顧客生産性の向上に貢献してきた。その知見をもとに特許を取得したAIアルゴリズムと、利便性の高いUIにより、製造工程における作業者の動きの分析や、誰でも現場の改善に取り組める体制の構築をサポートする。

たとえばデスクトップPCの組み立て工程では、CPU、ファン、RAMなどを順に取り付けていく。そこでファンの取り付け直後に行うはずの「電源ケーブルの接続」をし忘れ、RAM取り付けを始めようとするとそれを「Pathfinder」が自動的に検知して、アラートを出す。ヒューマンエラーをその場で指摘することで、作業者は直ちにそれを修正できる。同ツールのしくみは作業ミスの流出防止に加え、作業の習熟度向上や改善に繋げられるという。