皮膚に貼付するバイタルデータセンサーにて遠隔医療の実現をめざす

教育・行政・産業分野のステークホルダーが社会課題に対して解決案を検討し、実装を検証する。産学連携プロジェクトを「社会実装講座」という。

今月1日、パラマウントベッドは、東京大学大学院工学系研究科と共に、高性能なスキンセンサーから取得するバイタルデータをもとに、遠隔医療や高齢者の見守りなど医療・介護を支援するシステム開発及び社会実装を目指す「スキンエレクトロニクス社会実装講座」を開設した。2027年3月末日までスキンエレクトロニクスに関する基礎研究やそれを活用した仕組みづくりなどを行う。

同講座では、直接皮膚に貼り付けても皮膚呼吸ができ複数のバイタルデータを同時に連続測定するスキンセンサーを使い、活動情報と合わせて24時間モニタリングしながら遠隔医療の実現に向けたシステム開発・検証を行う。在宅中の高齢者や災害避難者からスキンセンサーで取得した情報と、その他機器で把握した睡眠や覚醒情報とを統合することにより、遠隔からその人たちの健康状態を管理するシステムの開発と有用性も検証する。  

今回使用するスキンセンサーは、軽量薄型で伸縮性に優れたウェラブルデバイス。装着時の身体負担が少なく、汎用性が高いこともあり、幅広いフィールドでの活用が期待されているという。同講座では、体温、血圧、血中酸素飽和度(SpO2)、脈拍数、心電図など、スキンセンサーで測定できるバイタルデータを増やす基礎研究や、用途を広げるシステム開発も上記実装にあわせて実施する。

両者は同講座を通じて、見守られる側の人々だけでなく、医療従事者や家族などの見守る側の課題や要望も明確にして課題解決を図る。さらに、遠隔医療や在宅介護、健康管理などさまざまな分野において、24時間リアルタイムで把握するバイタルデータをもとに、病気の早期発見や遠隔からの診療、健康寿命の延命など持続可能な健康社会の実現を目指していくという。