建設現場DX、拡張現実を活用して働き方改革へ

ICT(情報通信技術)の全面的な活用によって、建設生産システム全体の生産性向上を図り、もって魅力のある建設現場をめざす取り組み"i-Construction"が国交省主導で進められている。

Webで上記取り組み等の情報公開もされている。昨今、人材不足や働き方改革が大きな課題となっている建設業界では、作業員の生産性や作業効率の向上が期待できる、効果的なデジタル活用と新しい働き方の推進が求められているという。NSWPTCは3月31日、AR(拡張現実)活用により建設現場の生産性向上を図る新サービス「ConstAR」の提供を開始した。

昨年6月より建設業界のデジタルツイン構築と新ビジネスモデルの支援に向けた協業を行っている両社が、その一環として今回提供を始めた。「ConstAR」は、デジタル構築を強みとするNSWが、精度の高いARコンテンツを短時間で開発するPTCのARソリューション「Vuforia®Studio」をベースに、建設現場向けに最適化したARサービスとして販売するものだという。

ARを活用することにより、実寸図面の参照や大型機器の現場搬入時における動的な干渉などの確認ができるほか、機材でスキャンした空間情報を取り込むエリアターゲット技術により、作業者が空間に入ると、そのエリア内の適切な場所に表示されるARコンテンツから適切な情報を得られる。これにより一層正確に現場の設備、各部材、配管、配線の配置場所などを把握できる。

BIMデータを活用した建築イメージの共有や改修工事における完成図との照合、計画時点での外観の確認といった進捗状況の把握なども行える。建築の品質を向上しながら設計・施工・設備管理・保守点検の支援における業務効率化を実現し、働き方改革を促進するという。両社は、建築業界のDX推進に向けて、顧客ごとの建設作業に最も適したARソリューションの提案を行っていく考えだ。