ヘルスケア×IoTデータのしくみにより医療現場の業務を効率化

少子化などを背景とした人手不足が深刻になりつつある。この国では昨今、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響により、連日TVニュースや新聞でも報道されている通り、医療現場がこれまでにないほどひっ迫状態にある。

そうした状況を打破するため、現在、医療業界のIT化が厚生労働省からも推奨されているという(参照情報:厚労省Web)。順天堂大学は先月1日、アライドテレシスホールディングスとともに、医療現場におけるIoTデバイスやヘルスケアデータの新たな活用法を見出し、実用化に向けた次世代の病院IoTモデルの確立を目的として、「次世代病院IoTネットワーク共同研究講座」を開設した。

IoTデバイスの位置検出/サイバーセキュリティソリューションの導入により、円滑・効率的・安全な運用管理を実現するための実証実験を行う。同社では様々な医療関連機器メーカーと共同検証等を重ね、自社の無線LANとIoTの活用で業務の効率化と患者満足度の向上に注力している。今回、病院IoT網を一層進化させ、医療現場の業務の改善・効率化を図り、より医療従事者の患者ケアが充実する環境づくりを目指していくという。

共同研究では、①医療機器の位置検知および稼働状況分析、②内線電話(スマートフォン)利用時の精度向上、③ヘルスケア、IoTデータの統合と分析、④セキュリティソリューション基盤のモデル化を行う。

「DECIDE®platform」を活用し、万が一不測の事態が起こった際にも正しい判断・行動ができるネットワーク管理者を育てる。無線LAN環境におけるIoTデバイスのさらなる活用法を見出すとともに、その中でセキュリティ問題が不安点とならないようにセキュリティ対策の基盤をモデル化する。同社は、順天堂大学の協力を得て、より簡単・スムーズ・便利かつセキュアに医療市場のIT化を進められるよう、実証実験を行っていくという。