公用EVなどから収集したデータにてCO2排出・削減量を可視化する

地球温暖化対策の推進に関する法律の一部が令和3年に改正された。改正法の施行に伴い、全自治体にはCO2排出削減の計画策定と実施目標設定、企業にはCO2排出量のオープンデータ化等が求められ、カーボンニュートラルに向けた取り組みが加速している。

それを地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(環境省PDF)や脱炭素先行地域の設定()などが後押しし、ゼロカーボンシティを表明する自治体が増えているという。SBT富士通は、会津若松市水戸市多治見市加古川市において、「CADDE」を用いて信頼性が確保された多様なデータを収集し、CO2の排出・削減量を可視化する実証実験を約3ヶ月間実施、先月その評価を行った。

分野を超えてデータの発見と利用ができるしくみ「CADDE」は、内閣府のSIP第2期で採択され、両社も参画している「ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間技術」(管理法人:NEDO)の研究成果「分野間データ連携基盤技術」をもとに開発されたものだ。今回の実証実験では、データの流通履歴を記録、管理する来歴管理システムと「CADDE」を連携させ、上記4自治体が保有する公用EVの電力消費量や――

ソーラーカーポートの再生エネ発電量などのデータを収集し、データ可視化ツール「IoT Core Connect」を用いて各車両のCO2排出量や削減量(ガソリン車と比較)をレポート画面で閲覧できるようにした。これにより、「CADDE」を用いて収集した多様なデータを活用できるようになり、EV移行の動機付け、職員の環境意識向上への寄与など、ゼロカーボンシティ施策の推進に効果があることを確認した。

両社は今後も「CADDE」の社会実装に向けた検証を進め、データ利活用によるゼロカーボンシティを促進する取り組みを支援していく。富士通はまた、上記来歴管理システムの実用化を目指し、さらなる要素技術の強化を推進していくという。