そのような治療進歩の下で実際にどの程度の予後であるか、どの程度の患者が薬物療法を受けているか等の基本的データが必要とされている。肺がん患者への薬物療法の実態、予後移管するデータは、今後の治療開発の基準となり、患者への説明に役立つ情報になることは間違いないという。WJOGは、「IV期肺癌患者における予後を含めた実態調査:多施設後ろ向きレジストリ研究(REAL-WIND)」を開始する。
それをPRiME-RとNTTデータが、データマネジメントおよび技術面から支援する。同研究では、電子カルテデータ等のリアルワールドデータ(RWD)を標準化/構造化して管理・統合する「CyberOncology®」を用いて情報を収集し、新たな実地臨床情報の収集基盤の構築を目指す。さらに収集した臨床情報から日本人における予後等を予測するモデルを作成し、実地診療におけるⅣ期肺癌の臨床的背景、治療実態、予後を研究する。
①IV期肺癌の大規模レジストリ構築、②我が国の実地診療におけるIV期肺癌の臨床的背景、治療実態、予後、安全性を検討、③機械学習を用いた予後予測モデルの作成を行い、「新たな医療情報基盤を活用し、多数の医療機関のRWDを収集した大規模レジストリを研究に活用」、「機械学習を用いた日本人における予後等を予測するモデル作成により、今後の治療方針の決定等に寄与」する。
3者は、同研究の実施に協力される患者の個人情報やプライバシーの保護など、個々人の尊厳や倫理を遵守し、医療情報の適正な利活用を担保していく。同研究を通じ、これからもRWDを活用して個別化医療の実現へ貢献していくという。