医療現場DX、転院調整業務および地域医療の効率化を実証

地域の高度医療を担う。総合病院とともに、医療従事者の働き方改革ならびに地域医療の効率化に向けたデジタル転換(DX)プロジェクトを進めている。働き方改革では、チーム医療におけるコミュニケーションの効率化を実現する機能を開発し、一昨年より提供しているという。

SCSKは、倉敷中央病院と、倉敷エリアにおける地域医療連携の効率化を目的とした実証実験を今年4月より実施。今回の実証実験では、地域医療連携の課題である「高度医療を担う病院への患者集中」を解決するため、同病院と連携する複数病院に「Dr2GO」の地域医療連携機能を導入し、倉敷エリアの地域医療DX化に向けた取り組みを行う。実証実験を6月末までに完了し、7月から、その本番運用を予定している。

転院時に複数の地域連携病院と同時に行う転院調整業務に「Dr2GO」を活用し、転院調整業務の効率化と転院調整期間の短縮を目標に2つのプロジェクトを進める。①地域医療連携部、メディカルソーシャルワーカーの業務効率化、②患者の緊急度に応じた機能病院に送致する転院調整業務の効率化。後者では救命救急センターと協力し、受け容れ困難時に、緊急度に応じた機能病院に患者を送致する転院調整業務の効率化をめざす。

院内業務の効率化<コミュニケーション機能>、地域医療の効率化<地域医療連携機能>を主な特長としている、「Dr2GO」について、今般の実証実験をもとに全国へ展開していくという。

同社は、地域病院間で「Dr2GO」を転院調整の情報共有やコミュニケーションの基盤として活用してもらい――設備や病床状況の可視化、疾患・緊急度に応じた転院先候補の提案、複数病院と同時に転院調整する機能の提供などによって――転院調整業務/地域病院間コミュニケーションを円滑化。地域医療の質の向上、患者の負担軽減、病床回転率の向上、平均在院日数の短縮、転院調整期間の短縮に貢献していく構えだ。