高速道路における遮音壁施工を進化、作業車両の台数・移動回数減へ

この国の動脈である。高速道路は全国に張り巡らされていて、貨物車両、長距離バス、タクシー、大型バイクや乗用車が昼夜問わず、人口密集地の上方をも疾走している。それらのエンジンサウンド、風切り音、タイヤノイズをできるだけ外に漏らさぬよう、側面には高低さまざまな壁が設けられている。

高速道路の遮音壁の施工では、一般車両の車線規制・規制期間の削減による渋滞緩和などが求められることから、施工の合理化が重要となる。4tクレーン車両を用いた従来の装置では、鉄骨フレームの長さから作業スペースが制限され、遮音壁の取り外しと取り付け施工を同時に行うことすなわち、合理化は困難だったという。

大林組は、トヨタ未来創生センターと共同で、高速道路の低層遮音壁を短時間で更新する「ハイウェイパネラック」工法のさらなる合理化のため装置を改良し、進化させた。今回、施工装置を大型化し、遮音壁の取り外しと取り付けの同時施工を可能とすることで、従来装置より作業車両台数と車両移動回数を削減した。首都高速道路の遮音壁更新工事(20年12月ニュース)にて同装置を使用し、その有用性を確認した。

同工事では、トヨタが中心となって開発した"作業シミュレーション技術"、現場で働く人の作業性アップを目的とした3D可視化モデルのしくみも活用したという。このたび進化した「ハイウェイパネラック」工法は、10tトラックを用いて作業ステージの拡張、遮音壁ユニット搭載数の倍加を実現し、上記同時施工を可能にしたことで、作業用車両台数と作業日の車両移動回数を大幅に削減――1日当たりそれぞれ約2分の1となった。

「施工場所の道路傾斜にも対応」といった特長も備えている。「ハイウェイパネラック」工法を今後の高速道路遮音壁更新工事に活用していくとともに、高速道路のリニューアル工事に向けた技術開発を進めていく。大林組は、交通インフラの長寿命化に貢献していく構えだ。