NFTで個人の活動実績をセキュア管理、卒業証明書の発行も

ブロックチェーンにより唯一無二だと保証される。デジタル資産のNFT(非代替性トークン)は、ゲームアイテムやアート作品への適用が始まった。今後、安全担保型のデジタルアイデンティティとして、広く活用されることが期待される。

そこで、知識のアウトプットを重視し始めた教育分野に着目――NFTにより学びの軌跡を可視化することで、一律評価のみならず多角的な要素で子どもの個性を認識できる――教育のエコシステム形成を目指すという。電通グループシビラソニーは共同して、NFTで個人の活動実績をデジタル化し、クレデンシャル(信用証明)管理する実証実験を行う。

4月29日~5月1日に山口市で開催される「Table Unstable - 落合陽一サマースクール2022(山口編)」の卒業証明書をNFTで発行する。今回の実証では個人の活動実績をNFTとして表現することの実現性、ICカード型ハードウェアウォレットによるNFT化の利便性、実績情報のセキュリティを担保するクレデンシャル管理サーバーの有効性、デジタルアイデンティティ型NFTの流通基盤の構築などについて、課題の精査と分析、検証をする。

電通グループは同実証実験の企画・運用を担当。シビラはコントラクトウォレット、NFT用ウォレット「unWallet」、NFTクラウドサービス「unWallet Enterprise」を提供し、ICカード型ハードウェアウォレットとの連携および認証用スマホアプリの開発を担う。ソニーは非接触ICカード技術「FeliCa」で培った知見をもとに開発したICカード型ハードウェアウォレットの提供と、クレデンシャル管理サーバーの構築を担当する。

その後事業化の検討を進める。3社は、各人がより主体的に日々の活動に取り組めるような社会、多様なインセンティブの提供やコミュニティ形成の促進が可能になる社会の実現を目標にしていく考えだ。