防災DX、インフラ構造物の劣化を予測し予防保全を実現する

この国の社会資本ストックは高度成長期に集中整備された。道路橋、トンネル、ダム、水門、下水道、鉄道、港湾等は今後急速に老朽化していく。それら構造物インフラについて、政府は、必要に応じて小規模補修を繰り返す「予防保全型インフラメンテナンス」を推進している。

予防保全型のインフラ老朽化対策(国交省PDF)では、既存インフラを持続可能とすべく、予防保全段階となった構造物に詳細・追跡調査と所要の補修を行い、維持管理費を抑制する。日本では近年自然災害が激甚化――。インフラのリアルタイムな異常検知と安全性判断が求められていて、そのためにも、インフラ現場のデータを収集して遠隔監視するモニタリングシステムへの期待が高まっている。

これまでのモニタリングシステムはしかし、導入までにコストや時間がかかり、かつ収集した計測値を予防保全に役立つデータとして活用するための変換や分析が難しい。それらがシステムの導入ならびに普及の障壁になっていたという。OKIは、同社が取り組む「防災DX」の一つとして、橋りょうなどインフラ構造物の劣化を予測・予防保全できるクラウド型のインフラモニタリングサービス「monifi™」を4月より販売する。

同サービスは、多種多様なセンサーで取得したインフラ構造物の振動や河川の水位など現場の情報を収集・分析することにより、インフラの劣化進行や災害状況を予測し、最適な予防保全を可能にする。今月17日に発売した「ゼロエナジー高感度カメラ」や各種センサーと連携することにより、広範囲でのインフラの巡回点検の自動化、遠隔地からの災害現場の目視確認など、総合的な防災DXが具現化できる。

クラウドのため小規模なモニタリングも可能で、インフラ構造物の安全・安心を維持する高度なマネジメントを、必要な場所ですぐに実現できるという。同社は、今回の新サービスを各種インフラ管理者や行政機関に販売していく考えだ。