AIをブラックボックスとせず、様々なDNNモデルを活用する

ITの浸透が人々の生活をより良い方向に転換していく概念「DX」が注目されている。昨今、AIを活用した映像や画像の認識・解析技術は安全監視や行動監視、MaaS(移動手段のサービス化)を実現するものとして、多様な分野で活用され始めているという。

日立ソリューションズ・テクノロジーは16日、判断の根拠がわからないAIのブラックボックス問題を解決する「AI学習データ品質向上支援ツール(XAIツール)」の対象DNN(ディープニューラルネットワーク)モデルの拡充を発表した。同ツールは、「画像認識エッジソリューション」にて画像認識AIシステムの開発を支援。昨年より「画像認識AI システム構築コンサルティングサービス」メニューの一つとして認識率解析・向上に活用されている。

今回、より多くの顧客に利用してもらえるよう、同社の独自DNNモデル「物体検出ソフトウェアライブラリ(DeemDetector)」に加え、代表的なOSS DNNモデル3種――YOLOv3とCenterNetを同日、YOLOv4を今月末日、そしてその他のOSS DNNモデルについても順次追加していく。さらにはユーザー独自のDNNモデル(個別カスタマイズ)にも16日より対応し、顧客の製品開発を支援する。

XAIツールは、学習データを解析する「データクレンジングツール」と誤認識データを分析する「誤認識分析支援ツール」で構成されている。

自社導入の結果、データクレンジングツール、誤認識分析支援ツールの適用による学習データの最適化により、認識率は76%から90%に向上し、学習データは9,000枚から7,600枚(追加教師データ込み)へとスリム化、学習時間は102時間から88時間(同)への短縮を達成したという。同社は今後も、エッジコンピューティング技術を活用したデジタルソリューションを提供することで、顧客システムのDX実現を支えていく考えだ。