ドローンと5Gにて、屋根の損害を調査し即時鑑定する

自然災害に度々見舞われる。日本では、損害保険会社が家屋の被災状況を確認する際、鑑定人が不安全な屋根に上がったりして調査をする。屋根の損傷箇所は住人でさえ気づくことが難しい。そこで、小型無人機ドローンで撮影した高精細画像による損害調査サービスを昨年4月に開始した。

楽天楽天損保は今月7日、東京都世田谷区内の住宅地におけるドローンを用いた建物屋根部の高所損害調査において、5Gを活用してリアルタイム鑑定する実証実験に成功した。一般住宅に台風や雪災等による被害が起きたことを想定し、上空に飛行させたドローンでその屋根部を撮影――映像は、5Gを活用したライブストリーミングにより、千代田区内のオフィスビルに転送され、鑑定人がそれを確認しながらリアルタイムで屋根部を鑑定した。

今回の取り組みは、楽天グループ内の各サービスを連携させて実現。無人ソリューション事業部がドローンの操縦や飛行を、楽天損保が鑑定作業(協力:アシスト)をそれぞれ担当し、楽天モバイルが5G環境と技術知見を提供したという。両社は現在、ドローンを用いた建物屋根部の高所損害調査サービス(21年4月リリース)を全国展開中(21年12月リリース)で、上記実証結果を踏まえて、将来的に同サービスにおける5G活用を目指す。

5Gを活用した高所損害調査により、鑑定人はドローンで撮影し、5Gにて伝送される高精細の映像をもとに、現場の様子を正確に捉えた鑑定業務を調査対象から離れた場所で行うことが可能となる。これまでは撮影した画像を送付後に鑑定が行われていたが、ライブストリーミングにより撮影と鑑定を同時に行うことで、鑑定結果を提出するまでの時間が短縮される。これにより、顧客にとってもサービスの利便性が高まることを期待しているという。

楽天は今後も、グループにおける各サービス間のシナジーを高め、顧客にとってより良いサービスの提供を実現していく構えだ。