データ活用に取り組む企業が増えている。昨今、表計算ソフト等で管理された構造化データのみならず、社内外にある一層多くの情報・テキストなど非構造データの活用及び分析ニーズが高まっているが、そのハードルは相当高いという。
NECは、顧客保有データをAIで分析し、関連性が高い各種情報と組み合わせてデータを補完・拡張するサービス「NEC Data Enrichment」のSaaS版「NEC Data Enrichment Portal」を16日から提供。これに先立ち、ADK MSとテレビスポット個人視聴率予測システム「Spot-Navi®」での予測高度化に向けた実証を年初から行っている。
AIソフトdotDataを活用した従来システム（Spot-Navi ®AI版）では約5,000／月の番組についてオンエア当日の毎分視聴率を多角的に予測。今回の実証では、番組内容、出演者等のテキストデータに含まれる特性を上記新サービスにて補完・拡張し、消費者の関心や価値観を反映した更なる高精度な視聴率予測の実現を目指す。
基本となるサービスは、預かりデータを「NEC the WISE」のひとつ「データ意味理解技術」で分析し、データを補完・拡張して届ける。非構造データの構造化データへの変換や、データの意味を予測し関連性・類似性が高いとAIが判断した情報との統合を行う。専門家が行う場合と同等品質のデータ補完・拡張作業を約1/10の時間で完了できる。
一方、データサイエンスの民主化に資するNEC Data Enrichment Portalは、GUI操作のみで上記作業ができる。かつ新機能としてテキストデータの補完・拡張機能を搭載。分類タグを設定しておけば、営業日報等の非構造データに対し、AIがタグとの関連性や類似性のスコアを出力し統合する。テキストデータを定量データとして取り扱い、分析することが容易になるという。