自動運転レベル2~3の普及を最新高性能SoCにて加速する

衝突回避などをする。先進運転支援システム(ADAS)、そしてその発展形である自動運転(AD)システムは移動・輸送の新様式を具現化し、交通事故ゼロ社会を実現するためのしくみである。

先進諸国でADの市場化が急がれている(関連資料:官邸PDF)。今月8日、ルネサスは、ADASやADシステムの基幹処理用SoC「R-Car V4H」を発売した。量産車に搭載済みのスケーラブルなR-Carシリーズに加えられた、Arm® Cortex®ベースの同SoCは最大34TOPS(テラオペ/秒)のディープラーニング性能を実現し、車載カメラ/レーダ/LiDARによる周囲の高速画像処理や物体認識を可能とする。

R-Car V4Hは、普及価格帯の車両に自動運転レベル2+及び3を搭載できるよう、性能と消費電力のバランスを重視し最適なIP(知財)を組み合わせ、業界最高水準の電力性能比を達成(ウィニングコンビネーション例)。多くの機能を統合しているため、1チップでコスト競争力のあるADAS用ECU(電子制御ユニット)を開発できる。EuroNCAP 2025のフル機能にも対応可能で、3Dサラウンドビューや自動駐車機能も備えられる。

ソフトウェア開発をより迅速かつ容易にするR-Car V4H用SDKを提供予定。同SDKは、機械学習の開発、性能や電力効率、機能安全などのシステムの最適化を図るための機能を備えている。シミュレーションモデルが利用可能で、OSに依存しない、ソフトウェア定義型車両の開発に有用だという。

デバイスの初期評価やディープラーニングアプリ開発に向け、フィックスターズ社と共に提供するクラウド評価環境GENESIS for R-Carに対応――どこからでもそのCNN性能を評価でき、迅速かつ容易にCNNベンチマーク結果が確認可能となる見込みである。R-Car V4Hは、24年第2四半期から量産される予定だ。