それは薄く、軽く、曲がり、また材料の構成を工夫することによって半透明にすることも可能なため、従来の結晶シリコン太陽電池では設置不可能な分野への進出が期待されているほか、大面積塗工技術が確立されれば大幅なコスト低減が可能とされているという。マクニカは今月8日、エネコートテクノロジーズと、ペロブスカイト太陽電池を用いたIoT CO2センサー端末の共同開発に成功したことを発表した。
エネコートは、IoT端末向けに消費電力、形状などを最適化したPSCsを開発し、マクニカは、その次世代型太陽電池のメリットを活かし、屋内環境下でもCO2センサーを動作させ、無線にて情報を送信できる端末を開発した。
屋内の照度環境下において、外部からの電源供給無しにCO2センサーを動作させ、データーを安定して送信することは、太陽電池の発電効率とセンサー本体の消費電力のバランスから実現困難と言われてきたところで――、低照度下でも充分な発電能力があるエネコートのペロブスカイト太陽電池と、豊富な半導体の知見を用いたマクニカの低消費電力設計技術により、太陽電池だけで駆動できる次世代のIoT CO2センサー端末を具現化させた。
上記端末は、PoC(概念実証)製品として、特定顧客への試作品出荷を4月に開始。新型コロナウイルス感染症対策としてCO2をモニタする必要がある屋内環境や、植物工場などでのCO2濃度測定などを具体的な用途として、設置・評価を進めていく。さらには、マクニカが提案する空気質ソリューション「AiryQonnect」製品端末ラインナップの一つとして将来組み込まれる予定だという。