そこで製造現場のIoT化やDX化を支援するしくみを提供している。このソリューションについてはこれまで、DXへの第一歩として、現場の基礎情報となる生産実績情報を紙ベースでの管理からデジタルデータへの管理に移行し、それを基幹システム(ERP)へ連携して現行運用からスムーズに移行させたいといった要望が数多く寄せられていたという。
凸版印刷は、19年4月より提供中の製造DX支援ソリューション「NAVINECT®」において、RFID(無線ICタグ)により生産情報のデジタル化を行い、製造工程の進捗をタイムリーに見える化する機能を追加。工程管理の質を向上させるとともに管理業務の省力化を可能にする生産実績管理機能として、それを今月上旬より本格的に提供する。新機能は既に、上村エンタープライズの樹脂・精密機械加工工程での実績管理システムに採用されている。
生産の日程計画や、生産指示情報を導入企業のERPから受信し、それらの指示情報に対する生産実績情報をERPに送信。各システムへの2重入力作業を不要とする。RFIDを用いた生産実績管理(特許第6816809号)では、指示書にRFIDを貼付し、製造開始時に指示書を指定ホルダーに挿入することで、生産開始情報を自動で取得。生産終了時に次工程に指示書をまわすため、指定ホルダーから抜き取ることで終了情報も自動取得する。
製造指示書など複数の書類を重ねて読むシーンを想定し、積層型RFIDを採用している。積層型RFIDを使用することで30枚程度の一括読取が可能だという。同社は、より手軽に導入可能な「NAVINECT®クラウド」でも上記新機能を展開していく考えだ。