DXを推進する、新世代プログラミング技術市場は1.2倍以上に

デジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性を理解している。が、ブラックボックス化ないしストーブパイプ化している既存IT(情報技術)システムの前で頭を抱えている。経営者が全社横断的なデータ活用および将来の成長や競争力強化に資するDXを望んでも、現場サイドの抵抗は大きく――

業務自体を見直し、既存システムにおける旧来の様々な課題をいかに解決するか。それができなければDXの実現はおろか、7年後には最大12兆円/年の経済損失が生じうるという。経産省「DXレポート」が'18年に発表された。いわゆる「2025年の崖」への危機感を背景に、企業では、急務となっているDXの推進にあたり、多様なニーズやビジネス環境の急変に迅速対応するためにも、ローコード/ノーコード開発への注目度が高まっているという。

独立系ITコンサルティング・調査会社のITRは今月17日、国内のローコード/ノーコード開発市場規模推移および予測を発表した。同市場の2020年度の売上金額は515億8,000万円(前年度比24.3%増)。市場に影響力のある上位ベンダーの売上げの伸びがこれを牽引したという。

最小限のコーディングあるいはコーティング不要といった特性によって、高品質でメンテナンスが容易なアプリケーションの開発が可能となる。内製化による開発コストの大幅な削減にも寄与するしくみは今後も導入が進むと予想される。同市場のCAGR(20~25年度)は24.4%を予測している。

「プログラミングに長けたエンジニアを多く抱えていない企業にとって、短期間でアプリ開発スキルを習得でき、ユーザーとの共同作業で試行を繰り返すことが容易な開発ツールは、DXや業務改革・改善に適している」などと同社プリンシパルアナリストの甲元宏明氏がコメントしている。詳細は『ITR Market View:ローコード/ノーコード開発市場2022』にて確認できる。