"i-Construction"が進められているとはいえ、建設工事ではさまざまな条件により施工計画の変更が発生し、その都度、工程やコストなどの見直しが必要となる。構造物の3次元モデル(設計図)、工程情報、積算情報はそれぞれ異なるシステムで管理されることが多く、施工計画の変更に伴う各情報への反映に時間を要してしまう、課題があったという。
奥村組、パスコ、ビーイングは、構造物の3次元モデルと工程情報(時間軸)を連携した「4次元施工シミュレーションシステム」の開発・適用を進めてきた。そしてこの度、当該システムに積算情報を加えた「5次元施工シミュレーションシステム」を開発し、鉄道高架工事の実検証において、その有効性を確認したことを今月14日に公表した。
パスコの3次元データ統合ソフト「PADMS」をベースとし、ビーイングの工程管理ソフト「BeingProject-CCPM」および積算ソフト「Gaia」を連携させた、新開発システムは、シミュレーション機能を搭載し、工事の進捗状況とコスト情報を一つの画面上で確認でき、施工計画の変更に柔軟に対応できる。これにより、進捗状況の管理に加え、施工計画の変更に伴うコスト情報の一元管理が可能となり、建設現場における業務効率化が図れるという。
3社は、実工事において「5次元施工シミュレーションシステム」の適用を進め、ノウハウの蓄積とシステムの改良を重ねるとともに、多様な工種への展開をめざす。BIM/CIMの原則適用を見据え、同システムの機能向上を図り、生産性向上に寄与する仕組みとして展開していく構えだ。