新薬の研究開発、個別化医療の提供に役立てられる可能性がある。膨大な症例・項目からなるデータ、その解析に基づく患者一人ひとりへの最適な診断・治療選択を支援するサービスの実現、電子カルテに含まれる治療効果に関する情報の抽出や評価など構造化・標準化されていない医療情報(e.g.次世代医療基盤法)の利活用においては、AI(機械学習・深層学習・自然言語処理)等先端技術を取り入れていく必要があるという。
エクサウィザーズとNTTデータは、AIと「千年カルテ」を利用した"医療リアルワールドデータ活用サービス"の共同開発で合意――今年内をめどに製薬企業へ順次サービスを提供していく。前者は複数の製薬企業とDX推進やAI開発、様々な団体とAIや医療リアルワールドデータの活用に取り組んできた。一方後者は、上記法律に基づき、「千年カルテ」事業に取り組み匿名加工医療情報を提供している(特集記事)。
今回、千年カルテデータを活用した治療実態の理解、発症/重症化リスクの予測とその要因探索などに使えるAI活用サービスの開発。顧客企業への情報発信で連携して、千年カルテデータ利活用に必要な機能やデータの扱い方を明確化。診療記録文章や今後拡充予定の診療画像など、データベース上での取り扱いや整理が難しい情報について、有効な利活用を行うためのAI技術の開発・検証などで協業する。
両社が用いる「千年カルテ」は、国レベルでの統合医療情報プラットフォームであり、年間100万人の医療情報を収集している。いずれ300医療機関と協力して年間500万人の医療情報を収集することを目指しているものだ。