スマートファクトリ、定期巡回ロボとデータで施設点検・保守を効率化

高経年化に伴う点検頻度の増加や深刻な人手不足に直面している。プラントや工場等にて施設の運用を最適化し、生産性の維持向上を図るには、設備の状態や機器類からの膨大な情報を収集・蓄積し、定量データによる正確な状況把握が必要になる。

その一方で、施設内データ収集の多くは人の巡回目視により、手間と時間を要するうえ、取得情報の手書き、共有のしづらさ、作業内容や結果の属人化及び蓄積困難といった課題もあるという。ブルーイノベーションは、広大な施設内を自動走行ロボット(AGV)が定期巡回し、点検・保守業務を効率化する「BEPサーベイランス」を開発した。このソリューションの本格展開に先立ち、4月1日より行う検証への参加企業を募集している。

施設のアナログ情報もデジタル化する。複数AGVの巡回コース、時間設定、データ取得・保存を一括管理、カメラ・マイク・センサーなど搭載デバイスを選択して様々な点検シーンに活用、現場操作が一切不要で業務効率化・コスト低減が可能、5G通信やAI解析を用いてリアルタイム情報把握・共有ができる。BEPサーベイランスは、デバイス統合基盤「Blue Earth Platform®」をベースに開発されている。

同基盤の管理下にある複数のAGVが予め指定されたルートを定期的に巡回しながら、設備の状態や機器の数値などを撮影・収集しデジタル化する。各AGVで取得した大量のデータは自動かつ安全に蓄積・共有され、点検対象ごとにレポート出力されるほか、同基盤上でドローンやカメラに新たなミッションを自動付与して遂行させられる。BEPサーベイランスを活用したしくみをトッパン・フォームズと共同で、JR東日本に試用してもらっている(ニュース記事)。

同社は、ドローンによる施設内の全自動巡回システムの開発を平行して進め、22年度中に「ドローン&AGV全自動巡回」トライアルサービスの提供を開始する考えだ。