そのような仮想空間/メタバースは、利用者のアバター(分身)を介した商品売買やイベント開催、テレワーク時の仮想オフィスなどを含めて、今後の活用に多くの耳目が集まっているという。CTCは今月4日、リアルタイムコラボレーションと現実に忠実なシミュレーション用のプラットフォーム「NVIDIA Omniverse™ Enterprise」の提供を開始した。
NVIDIA社のそれは複数ユーザーが共同で3Dデータの編集やシミュレーションを同時に行えるもので、効率的な仮想空間の開発や利用を可能とする。USD(開発元:Pixar)に対応していて、異なるツールで作成した3Dデータでも互換性を保つ――。CADや3Dデータの作成ツールとも連携し、ユーザー端末で作成・修正した内容をスムーズに取り込み、3Dデータに即時反映できる。
使い慣れたツールの操作性を維持して複数のユーザーが共同作業を進められ、迅速に目的とする仮想空間を実現できる。Omniverseは、工場の最適な生産計画などを事前に検証できるシミュレーション機能や、他のシミュレーションソフトとのデータ連携の機能も備えているため、工場内の作業員や製造ラインに関連した安全性や生産性をデジタルに可視化して、プロセスの検証ができる。
その仮想空間は、光の反射や屈折、影などを精密に表現して、実写に近い形で制作できる。大量の計算を可能にするNVIDIA GPUと親和性が高い。AIの活用や詳細な描写、スムーズな動作などが期待されるという。CTCは、デジタルツインやVR等の技術を通して業務プロセスの最適化を図る製造業や、建設業の顧客を軸に同プラットフォームを展開していく考えだ。