次世代通信基盤"B5G"向けデバイスの開発、産官学で推進

第5世代移動通信規格(5G)の商用サービスが各国・地域で展開されつつある。現在、その次の社会基盤として、"Beyond 5G"の2030年商用化が見込まれている。次世代通信基盤の進化の方向性としては、高速・大容量、低遅延、多数同時接続といった5Gの特長の強化があり――

さらに、Beyond 5G(B5G)は、拡張性や超低消費電力、超安全・信頼性といった簡易な端末にも採用しやすい新たな価値が加えられることから、ヘルスケアやスマートシティ向けIoTソリューションなど、より幅広い分野への適用拡大が期待されているという。

シャープSSIC東京大学大学院工学系研究科東京工業大学日本無線の5者は、NICTの委託研究「継続的進化を可能とするB5G IoT SoC及びIoTソリューション構築プラットホームの研究開発」について、これまで進めてきた環境整備や基礎検討がおおむね完了したことから、今月より、本格的な研究開発に移行すると発表。

シャープ (代表研究者)はミリ波帯IC/アンテナ/パッケージ一体設計技術、SSICはソフトウェアアーキテクチャ、μコントローラベースSoC、SoCハードウェアセキュリティ高度化とカスタムセキュリティ実装、東大はソフトウェア無線による継続進化可能アーキテクチャ、SoCローカルB5G新機能、東工大はミリ波帯省面積低消費電力フェーズドアレイIC、日本無線はDSPソフトウェア無線のL1層ソフトウェアを担当する。

上記プラットフォーム実現を目的に、それを構成するソフトウェア無線ベースバンドSoCとミリ波対応RF CMOSトランシーバICの研究開発に取り組む。これにより、通信規格の制定・拡張、搭載端末に合わせた性能改善、機能開発などに柔軟に対応する開発環境を創出するという。5者は、B5Gの用途拡大と普及に寄与するとともに、B5G分野における国際競争力の獲得をめざしていく。