車載カメラ映像をAI解析、積雪を可視化し皆の負担を軽減する

豪雪地帯は国土の5割を占める。総人口の15%が生活し、この国の経済社会で重要な地位にあるけれど、冬の恒常的な降積雪が、暮らしを不便にしたり、交通や電気を止めたり、産業の発展を妨げたりする。そこで、豪雪地帯対策基本計画に則り、雪害の防除など総合的な対策が実施されている。

特措法で指定された「豪雪地帯」のうち、特に積雪量が多く、積雪により生活に著しい支障が生じる恐れのある地域を「特別豪雪地帯」という。国交省の令和3年資料にあるように、山形県は全域が豪雪地帯で、26市町村が特別豪雪地帯に指定されていて、除雪・排雪作業が住民の負担になっている。

昨年度に米沢市では1.4千件、高畠町では3百件の除雪等に関する問合せがあった。雪の降り始めから、積雪状況や除雪の緊急度把握が大きな課題になっている。県と連携し、NTT Comは、除雪業務の効率化と住民サービスの向上を図る、車載カメラ経由で収集した映像データを利用しAIで積雪状況を分析・可視化する実証実験を両市町にて今月4日に開始した。

現地の積雪状況をリアルタイムに「可視化プラットフォーム」の地図に表示する。クラウド録画カメラサービス「coomonita」で撮像を加工し、HEREMaps APIを活用し即時マッピングする。①今月28日まで、 道路軸で積雪状況の映像データを収集し、個人情報をマスキングした上で画像表示、可視化したデータを自治体へ提供。②12月、ACEと協力して積雪・幅員・事故・道路陥没などをAI画像分析し、結果を自治体へ提供する予定だ。

今回の実験成果を踏まえ、積雪アラートなど機能の追加開発を行う。また、AIアルゴリズムを高度化させ、積雪状況だけでなく道路の損傷検知や地域防犯へ活用範囲を拡大するとともに、全国への展開をめざすという。同社は「Re-connect X®」ビジョンに基づき、サステナブルな未来の実現に貢献していく構えだ。