AIが最適経路を即決する、市内オンデマンド交通をタクシーで実証

都会にも交通弱者がいる。坂が多かったり、路線バス網が利用しづらかったり、さまざまな特性を持つ地域では、利用しやすい交通環境の整備が求められている。

そこで、地域の主体的な運営による交通手段の導入に向けて、住民が活動しやすい環境づくり、安全運行のための情報提供、技術的支援の提供、交通事業者との調整など、その進捗状況に応じた支援を行い、持続可能な交通環境の整備を推進している。コミュニティ交通に関する取り組みとして、ICT(情報通信技術)などの新技術、新制度を活用した実証実験の新たな展開を図ることにしているという。

川崎市と、CTCは、相互に密接な連携・協力を行い、タクシーを活用したオンデマンド交通を試験的に運行する実証実験「トライアルshotl生田山の手」を2月28日~4月28日に実施する。多摩区生田4丁目~8丁目及びその周辺にて、生田交通のタクシー車両2台程度を用いてする今回の実験は、市内の交通に関する課題を踏まえ、民間事業者が事業性等を基に対象エリアを選定して行う。

オンデマンド交通車両の運航時間は、平日(土日祝日は除く)、午前8時30分から午後3時30分まで。予約受付時間はスマホアプリが終日、電話が午前8時00分~午後4時00分で、運賃は年齢等に依らず1人300円の一律料金制であり、生田4丁目~8丁目の区域内では自由に乗降場所を設定できる。「自由度の高い出発地・目的地の指定」に加え、「AIを活用した運行経路設定」を運行の特徴としている。

同実験へのフィールド提供や実験の実施などへの支援を通じ、川崎市は、新技術の開発に寄与するとともに、得られたデータや知見を共有し、本市での適用可能性を踏まえながら、地域における移動についてどのような需要があるかを把握し、今後の検討につなげていくという。一方、CTCは、顧客のデータ活用やDXを支援するとともに、社会課題の特定や解決に努めていく構えだ。