本邦初!スマホのデジタルキーで自家用車内に"置き配"

ネットショッピングが当たり前となった。昨今、買い手と運び手の頭痛の種は、商品の受け渡し場所だ。宅配ボックスのないところでは、玄関先や自転車の荷かごの中などに「置き配」してもらうことも可能だが、それは双方にとって、リスクもある。無くなった商品を売り手が補償するとしたとて――。

KDDIヤマト運輸プライムライフテクノロジーズは、国内初だという、スマホをクルマの鍵にするデジタルキー(DK)を活用したトランク等への配達実証実験を2月1日~4月30日の予定で実施する。トヨタ自動車からDKの提供を受け、都内・愛知県内の一戸建てに居住かつトヨタ車オーナーで、実験に協力してくれる人をヤマト運輸が募り、検証データと知見を蓄積しつつ、KDDIと米国StationD.M.の共同開発システム(関連記事)の商用化もめざす。

実験参加者の自家用車にDKで解錠可能な専用デバイス(SKB)を設置。参加者は、スマホアプリでDKと宅配サービスの設定・操作を行う。ECサイトにて商品購入後、宅配サービス「EAZY」から送り状番号が送信されたら、トランク/助手席/後部座席などを配達先に指定する。同アプリは配送状況の確認、再配達の指示や問題事象の登録なども可能で、安心安全に利用できる。

配達員は、顧客に所定時間利用を許可されたワンタイムDKを用いて、クルマを解錠して配達。終了後に施錠をし、配達状況を登録する、専用アプリで確実に作業を行うことが可能となる。配達員と顧客それぞれの専用スマホアプリと、DK管理等をするIoTサービスプラットフォームの設計・提供をKDDIが担い、実証実施エリアの提案、顧客とのマッチング、サービス受容性調査企画をプライムライフテクノロジーズが行う。

3社は、EC市場の成長や"新しい生活様式"の定着により多様化する顧客の荷物の受け取り方法に対するニーズに対応し、利便性の向上を目指していくという。