世界初!商用コンテナ船の無人運航実証を安全裡に達成

約400の有人離島がある。日本列島を巡る内航海運の、船上での仕事は大変きついのに、船員の半数は50歳を越えている。

1日2便、朝夕のみの航路が多数で、生活に資する離島航路の維持も課題となっている。海難事故の原因の7、8割がヒューマンエラーであり、事故減少が求められている。各種課題を無人運航船によって解決し、海事産業及び関連産業の競争力強化と活性化につなげていくプロジェクト「MEGURI2040」日本財団が推進している。

今年1月、かねてより「船舶維新NEXT~MOL SMART SHIP PROJECT~」を進めている商船三井は、同財団の助成金プログラム締結コンソーシアム企業――三井E&S造船古野電気井本船舶A.L.I.商船三井フェリーMOLマリンと共に、上記プロジェクトの一環として、24日と25日に福井県敦賀港~鳥取県境港の航路において、世界初となる商業運航コンテナ船による無人運航実証実験に成功した。

昨年10月にシミュレーターで安全検証を行ったうえで今回、「自律操船制御システム」を用いて、"自船の位置情報の正確な把握""風や潮流といった様々な外的要素""個船ごとの特有の操船性能(舵利きや増減速の具合)・操船装置構成""船舶に適用される航行ルール"といったことを考慮しつつ事前に策定したルートに沿って、他船や障害物を「自船周囲情報統合システム」で把握しながら、安全な避航ルートを航行させた。

特に繊細な操船が必要となる自動離着桟においては、「離着桟支援センサー」からの情報を自律操船制御システムで用いた。「自動飛行ドローン」が係船索を岸壁へ運搬した。この技術を成熟させていくことで、船員の負担大である係船作業の代替手段となることが期待されるという。同コンソーシアムは、内航コンテナ船と特徴の異なる内航カーフェリー「さんふらわあ しれとこ」を用いた無人運航実験も行っていく構えだ。