貴重な資源の採掘現場DX、鉱山機械を24時間365日安定稼働へ

世界中ではたらく鉱山機械は24×7、日本でいう24時間365日の安定した稼働が求められる。そのため、鉱山機械のセンサーから稼働データを収集しているが、これまでの方法では、それら稼働データをもとに問題の発生を詳細に予測することが難しかった。

それゆえ機械の稼働時間を目安にして、定期的にメンテナンスや点検、部品交換を行ってきた。従来、点検や故障原因の特定に費やす時間と費用が、顧客やサービス員の負担になっていたという。日立建機は今年1月、IoTにより鉱山機械を24時間遠隔監視し、その稼働状況をAI分析するなどして鉱山現場の課題解決に貢献するサービスソリューション「ConSite Mine」(開発時ニュース)をグローバルに提供開始した。

鉱山機械の設計・製造の知見に基づく独自の応力解析技術とAIを組み合わせて、超大型油圧ショベルのブームやアームの亀裂発生を予測する機能「Load Index」が大きな特長である。同ソリューションは、リジッドダンプトラックの状態をも遠隔監視し、顧客の保守担当者や販売代理店等のサービス員に電子メールとスマホアプリで稼働状況を知らせる月一「定期レポート」と、各種センサーが機械の異常を検知した時の「アラームレポート」とを発行する。

サービス員は上記2種類のレポート上の分析結果を確認して、各鉱山機械の状態に合せた点検や部品交換、適時メンテナンスの提案を行えるという。同社の新ソリューションは、安全性と生産性の向上、ライフサイクルコストの低減、機械のダウンタイム(運転停止時間)の抑制に寄与する。

いずれカナダの連結子会社Wencoの鉱山機械モニタリングシステム"Ready Line"と接続される。「ConSite Mine」は、オペレータの運転操作やリジッドダンプトラックの稼働現場に合わせた燃費チューニングの効果をダッシュボードで表示――といった機能拡充が予定されている。