倉庫作業スマートDX、まずは飲料ピッキングの自動化から

暮らしや経済を支えている。物流領域におけるデジタル変革およびAGF(無人フォークリフト)・AGV(無人搬送車)導入は、人間中心の超スマート社会の実現につながるものである。

今月20日、三菱重工三菱ロジスネクストは、前者が研究開発を進める「ΣSynX」のコア技術を適用して物流を知能化・自動化するプロジェクトに着手した。倉庫内作業を自動化するしくみを順次開発し、Yokohama Hardtech Hub(YHH)で実証試験を行う。その第一弾として、飲料ピッキングの自動化ソリューションの実証を22年度に開始、顧客体験会も予定している。

飲料倉庫や冷凍・冷蔵倉庫にて、AGFやAGV、パレタイザーを連携――、多人数でするピッキング作業を自動化する。複数AGF・AGVを効率的に差配する群制御などの行動計画技術、ピッキングスループットを向上する最適化技術などによって物流の知能化も実現する。

ピッキングソリューションは、マルチテナント倉庫への導入を想定し、床面工事等の大規模工事を不要とした後者のレーザーAGFなどの機器・システムで構成して、メーカー・3PLにフレキシブルな物流ソリューションを提供する。YHHでの試験では、複数のAGFとAGVが連携して在庫棚から飲料パレットをパレタイザーに配送し、パレタイザーがピッキングリストに従って目的の飲料を積み付けていく一連のソリューションを実証。

YHHには先行開発エリアも置く。高砂地区総合研究所内でΣSynXを適用した新AGFコンセプト機「SynX-Vehicle」を開発している物流実験センターと連携し、群制御・人との協調・遠隔監視などΣSynXの技術開発を進めているという。両社は今後、ΣSynXと社内外の製品・技術を組み合わせた入出庫ソリューション、トラック入出荷ソリューションなどを開発し、物流業界の課題解決に向けてタイムリーに提供していく構えだ。