ショッピングモール内から自走ロボットで商品配送、新たな顧客体験へ

サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する。データ駆動型でかつ人間中心の社会を築く、Society5.0の実現に欠かせない要素は、人工知能をはじめとするIT(情報技術)と、スマートかつ大衆的なロボティクスだろう――。

三菱電機AEON MALLは今月11日、イオンモール常滑において、米国西海岸のスタートアップ企業Cartken製の自律走行ロボットによる商品配送サービスの実証実験を開始した。このしくみは(With/Postコロナ時代の)ニューノーマルな生活様式に対応した非接触型配送サービスとして、顧客の利便性向上を目的に、アプリから注文した飲食店の商品を、自律走行ロボットにより配送し、離れた場所でも受け取ることができるものだという。

専門店の既存アプリと、新たに開発した配送管理アプリ(タブレット型)を用いたロボット配送によって、施設内の離れた場所から、自分の居場所や混雑状況に関係なく、商品の注文や受け取りが可能となる。この度の自律走行ロボットによる商品配送サービスの実証実験では、スターバックス コーヒー イオンモール常滑店から商品が提供される。

世界のIT集積地であるシリコンバレーで誕生し、地球に優しい「ゼロエミッション」、「ブランドの訴求」、「容易な展開」を特長とする、今回日本初導入となるCartkenのロボットは、画像処理技術を活用した高度な自律走行、段差も乗り越えられる屋外での高い走破性能に加え、遠隔での走行見守り機能を備えている。これにより、走行時間や場所を把握することができ、専門店従業員の負担を最小限に抑えながら、安全・安心な走行を実現するという。

両社は今後、配送オペレーションのさらなる最適化を進めることで、新たなカスタマーエクスペリエンス(CX)の創造を具現化し、リアルモールの魅力向上に努めていく考えだ。