環境性と経済性を両立する、タクシー電動化プロジェクトはじまる

2050年カーボンニュートラルをめざす。日本政府の地球温暖化対策計画・部門別目標では、運輸部門において2030年までに7,800万トンのCO2排出量削減(13年度比35%減)が求められている。

上記目標(環境省)の達成に向けて、現在LPG車を主力とするタクシー業界も努力している。が、航続可能距離の短さと充電時間の長さによる稼働率の低下、充電施設不足などの課題によりEV(電気自動車)タクシーは普及していないという。第一交通住友商事住友商事九州九州電力は、環境性と経済性を両立させた環境配慮型タクシー事業の実現に向け、タクシー電動化プロジェクトを開始する。

その第一弾として、福岡地区においてEVタクシーを共同で導入する。4社は、第一交通アイランドシティ営業所に当該車両および充電器を導入する。同地区での運行を通じて、走行距離等の経済性、充電時間や電池状態等の性能面、環境負荷などを分析し、EVタクシーに最適な充電・運行管理システムを構築。再エネの導入や、削減したCO2のクレジット化にも取り組むことで、全国で持続可能な環境配慮型タクシー事業の実現を目指す。

第一交通は、23年3月までに全国約100台のEVタクシー導入を目指している。今回の取り組みにより得られるデータから、走行距離、充電時間、経済コスト、環境負荷などを総合的に分析する。そこで培ったノウハウをもとに充電・運行マネジメント上の課題を克服し、全営業所にEV車の導入を進めていく。

住友商事グループは、最適な充電・運行オペレーションの構築や充電ステーションの配置最適化に取り組み、同ステーションへの再エネ由来電力の供給を検討する。九州電力は、前記充電・運行オペレーションの構築や最適な電気の使い方の研究、CO2のクレジット化の検討に取り組み、将来的にはさまざまなモビリティのEV化を進め、運輸部門における電化の推進に挑戦していくという。