イベントDX、まちあるきアプリで混雑回避と回遊性アップをねらう

Withコロナ時代にイベントを開催する。そのためには、会場周辺をも含めた安全・安心対策を必須としたうえで、イベント本来の目的である"楽しみ"の演出および提供、そして開催地域で経済を回す工夫が求められる。

今月14日、NECは、埼玉県熊谷市において、来訪者データの利活用によりスポーツイベント開催時の市街地での回遊性向上と混雑回避の両立を目指す実証実験を本格開始する。3月18日まで、「LINE」上に自社のイベントDXサービス「FORESTIS」を活用して構築した熊谷まちあるきアプリ「くまぶら」を来訪者に提供し、同市内の飲食店など約50店舗(拡大予定)で利用可能なクーポンや気象情報の配信等を行う(「くまぶら」紹介チラシ)。

年齢・性別等の属性、クーポン使用日時を匿名分析し、来訪者の好みや人気の高いスポットなどを抽出できる。イベント開催時にはより効果的な回遊を促進し、まちの活性化に寄与する。今回の実証期間のうち、リーグワンの試合が熊谷ラグビー場で行われる1月23日、2月19・26日に割引クーポンを配信する。

利用者はLINEトーク画面で自分に合ったクーポンを得られる。上記試合の進捗に応じてプッシュ通知で割引クーポンが配信される。交通機関等の混雑を避け店舗に滞在を促す混雑回避と市街地での回遊性向上を実現する、「くまぶら」アプリ内では、スタンプラリーのほか、気象データ活用による風邪予防指標の配信も予定されていて、健康管理の注意喚起も行われる。

国交省「令和3年度先行モデルプロジェクト」に採択された。熊谷スマートシティ推進協議会が主体の上記取り組みは、実証終了後も快適に楽しく市内を回遊できることを予定。夏季には同アプリを利用して熱中症指標の配信などを計画しているという。NECは、様々なデータ利活用の基盤である都市OS(内閣府PDF)との連携など、熊谷市でのスマートシティ推進に貢献していく構えだ。